クリスマス気分は、前回で終了という事で通常モードに入ります。このブログでは、あまりマニュアル作成方法について書いていないという事に昨夜気付き、マニュアル作成方法や勤務評価について書いてみようと思います。
収益向上については、細かな方法論をブログで全て出すつもりはないですがマニュアル作成や勤務評価については、治療院全体のに好影響が出ると信じて、詳細に説明してみようと思います。ただ、1人で作成を進めて行くと躓く事もあると思いますので、そんな場合には、質問頂ければ可能の範囲でお答えします。(返答なくても怒らないでくださいね)
基本編という事で、なんでも基本が重要です。いきなりすっ飛ばして、詳細な作成方法に入ってもマニュアル作成と勤務評価を最終的に院に浸透させることは出来ません。なので、じっくり読んだうえで本当に取り組むのか、検討してみて下さい。
私が、説明するマニュアル作成方法や勤務評価制度は、自論ではなくて、チェーンストア理論に基づいています。チェーンストア理論は集団行動の中で「人がどういった反応をするのか」「全てを連動して行う為に必要なポイント」などを抑えて作成されています。
ですので「一部だけ抜粋し院に取り入れたり」「一部、自己流で変更したり」などを行うと、途端に連動しなくなる恐れがありますので、まずはコレ通りに作成して頂き、慣れてくれば変更していくという流れで行ってください。一件不必要に見える事も、他の作業との連動を考えると、必要になる事もあります。
マニュアルが必要な院と不必要な院
まず、ここからだと思います。この線引きはシンプルで
- 少数精鋭(不変のメンバーで運営していく、一人院も含む)
- 多数運営(定期的にメンバーが入れ変わる)
1のように少数精鋭で運営していく場合には、マニュアルは不必要で、個人が一つの作業のスペシャリストになり、作業を行えばいいので、マニュアル化する必要はありません。お気づきのとおり、1人が作業を集中して行うので、クォリティーは高くなりますが、再現性が無いため退職などで、収益上大きな損失となります。
ある特定のメンバーがいなくなった場合に、院も心中する覚悟がある場合には、マニュアルなしでもOKという基準が一番わかりやすい線引きかと思います。
気心がしれたメンバーが集まり起業するなどの場合ですね。このようなケースも、規模が大きくなると破たんしていくパターンが多いように感じますが。
この覚悟が無い場合には、全ての院でマニュアル作成と勤務評価は導入して欲しいなという気持ちです。
ある程度の規模になると、マニュアル化は避けて通れないと思っています。もちろん、マニュアルなしでも運営する事は可能ですが、退職などで度々院が不安定になっていく事でしょう。マニュアル作成や勤務評価は面倒ですが、チェーンストアが行う理由は、単純で長期で見るとその方が収益性が向上するからです。
マニュアル作成と勤務評価は連動させることが重要になります。これが出来ていないので、マニュアルは作ったものの浸透せずに、「いつの間にかなかったことに・・・」が起きます。定期的に、マニュアル習得度を勤務評価で数値化する事で、マニュアルの重要性と独断での作業を予防する効果があります。
マニュアル作成概論①(今後、追記の可能性あり)
- 重要な事からマニュアル化
- 絶対必要なこと以外は、マニュアル化しない(ピークタイム基準)
- 定期的にマニュアルを作り直す
- マニュアルは1人に1部配布
- 習得度は段階査定すること(スピードと精度)
トレーニングの基本は従業員トレーニングの基本中の基本編をご覧ください。
|1.重要な事からマニュアル化
はじめてマニュアルを導入する場合には、現場レベルでの反発が多かれ少なかれあります。人は未経験の事をする事には抵抗がありますから。なので、まずは上の人間から課題に取り組んでいく事が重要です。よくある間違いですが、受付さんや施術者かたマニュアル作成を取り組みがちです。
これは、上手く機能しない場合がほとんどです。まずは、分院長や副院長業務からマニュアル化してみましょう。大変さを理解してからの指導と自分で出来ない状態での指導では、現場レベルへの浸透具合が全く異なります。また、重要な事から取り組むことで、収益面でもこちらの方が有益となります。
|2.絶対必要なこと以外は、マニュアル化しない(ピークタイム基準)
これまたマニュアル作成時に、よくある間違いですが「これもあった方が良い」「あれもやった方が良い」などの感じで、作業項目がドンドン増えていきます。
作業項目が増えすぎて、管理不可能な状態にならないようにとピーク時に行えない作業を盛り込むことで、結局やらなくなるという事が発生します。
実に厄介な事ですが「忙しい」という判断は、人それぞれ基準が異なるため、トラブルの元となります。
例えば
受付作業をマニュアル化する場合に「お見送り時には一礼する」という項目を作ったとしましょう。マニュアル化したならば「お見送り時には一礼する」という作業を徹底しなければいけません。これが出来ていない場合には、マイナス評価となります。
ピークタイムにどんなにバタバタしていても「お見送り時には一礼する」が本当に必要なのかをじっくり考えてから、マニュアルに導入しましょう。本当に必要ならば、マニュアルに入れる。ピークタイムには行えない場合には、初めから入れない事が重要です。
また、「お見送り時には一礼する」という作業に「可能な範囲で」という一文を足してマニュアル化したとしましょう
「可能な範囲で、お見送り時には一礼する」こうした場合には、先ほども説明したように「可能な範囲」の基準は誰が作るのかという問題が出てきます。現場責任者が、院内で起きている全ての状況を把握出来ているならば可能ですが、瞬間的に全ての状況を把握する事は不可能です。
現場責任者が「今は一礼できた」と思っても、他の作業の兼ね合いで受付さんは「今は無理」という矛盾が起きてきます。こういった矛盾が起きると、ドンドン人間関係の悪化に繋がります。ならば、はじめから「お見送り時には一礼する」を盛り込まないか、どんな状況でも「お見送り時には一礼する」をという基準でマニュアル化するという二つの道に分かれます。
「本当にピークタイムでも、自分が出来るか」という視点でマニュアル作成に取り組んでいただければ、判断しやすいかと思います。
「やった方が良い」ではなくて「絶対やるのか」が判断基準となります。
|3.定期的にマニュアルを作り直す
マニュアルは、作業の手順を書面化したものになります。作業効率は、繰り返せばドンドン効率化していくので半年に1回程度は見直す事をオススメします。現場レベルで、マニュアルを元に作業を行い、より効率の良い方法や不必要な作業が出てくればドンドンマニュアルを更新していきましょう。
現場レベルの作業とマニュアル内容が、かけ離れている院が非常に多くいらっしゃいます。定期的に、更新を行いマニュアルと現場作業が一致している状況が理想の状態になります。
|4.マニュアルは1人に1部配布
これも良くある間違いです。受付作業で例えると、受付にマニュアルが一部用意されてある状態で「トレーニング時にマニュアルを取り出し説明する」という流れも多いのではないでしょうか。ここは、労を惜しまずに入社と同時に1人に一部配布しましょう。
●メリット
- マニュアルに直接個人の課題を書き込むことが出来る(院に大きめの付箋を準備し、課題を付箋に書き込みマニュアルの更新時には、付箋を張り替えるだけで課題を添付することが出来ます。)
- マニュアル(作業)の習得進捗を個別で管理する必要がなくなる(作業進捗を個人のマニュアルに記録する事が来出るため。共有マニュアルだと、別紙が必要になる)
|5.習得度は段階査定すること(スピードと精度)
「作業が習得できた」という状態にも、レベルがあります。「何とか一人で作業をこなす事が出来るレベル」なのか「通常時に作業をこなす事が出来るレベル」なのか「忙しい時間い一人で出来るレベル」なのかなど、習得レベルは様々になります。
なので、マニュアルは以下のように作成してみて下さい。
<受付作業:次回予約の取り方>の例
上の□は、作業習得が終了した場合にチェックを行う欄になります。チェック方法は以下のように
□は何を意味するかと言いますと、作業習得レベルになります。□は左からチェックを埋めていきます。作業レベルは院ごとに決める必要がありますが、今回は例えで行います。
<作業内容の説明を受けて、一度一人で行った>が終了すれば、マニュアルの一番左□のチェックを行います。このような職位の名前と内容をマニュアルの各ページ頭に添付しておきましょう。そうする事で次のチェック欄を埋めるために必要な事が分かります。
作業スピードのチェックに関してですが、時間で測れるものは評価基準に必要な時間を記入しましょう。
一度のブログで全てを説明する事は、到底不可能なので「何となくこんな感じか」が伝わり、作業の方向性が見え、取り掛かる切っ掛けになれば今回のブログは大成功になります。さて、いかがでしょうか。読者さんごとに詰まる部分が、異なると思いますので、質問を頂ければ(可能な範囲)回答します。
久しぶりに3,000文字を超えました。一見、作業量が多く「これは面倒」と感じるかもしれませんが、放置して度々問題が出る方がよほど面倒です。これ間違いありません。
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