整骨院経営、保険診療のみで今後生き残れるか?

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整骨院もドンドン件数が増えています。そんな中で、多種多様な経営方法が取られていて、自費メニュ―を導入している院がスタンダードになってきています。とはいえ、まだまだ保険診療のみで運営されている整骨院さんも多いことでしょう。「そろそろ、自費導入しなきゃな?」的な方に向けてのエントリーとなりますのでよろしくお願いいたします。

さっそく本題ですが「整骨院今後保険診療だけでやっていけるか?」についてですが「相当厳しくなるだろう」というのが結論です。「そんなことは分かってる」という声が聞こえてきそうですが、とっても大切なことですのでハッキリと言いますが「分かってるなら、さっさとやりましょう」です。

今後「整骨院も保険診療だけでは厳しいよな」、「どこも自費導入してるし、うちもやらなきゃな」と分かっているが、なかなか行動できていない人は、とにかく行動に移さないと気がつけば厳しい状況になるでしょう。

「気がつけば厳しい状況」というところがポイントで、じわじわ業績が下がっていき気がついた時には経営状況が厳しいということになります。おそらく保険診療だけで運営されているということは集客等も行っていないでしょう。経営状態が厳しくなった時にリカバリーする方法を持っていないので、遅かれ早かれ閉院という状況になるでしょう。

 

整骨院が保険診療のみで今後運営していくことの危険性

以下、整骨院が保険診療のみで今後運営が厳しくなってくることの勝手な推測です。

整骨院を経営者一人で運営していていれば、家賃を低額に抑えておけば固定費を非常に小額で抑える事が出来るので赤字になる危険性も少ないでしょう。ですが、友人が40歳手前で整骨院を1人で開業しましたが、今後大丈夫なのかと心配しております。働ける期間が限られていますので整骨院を1人で運営していくことも厳しい状況になっていくのかな?とは思います。とはいえ、従業員を雇用すると一気に固定費が上がるので従業員を雇用し、今後保険診療のみで運営していくことも厳しくなってきます。

従業員を雇用するということは治療院求人募集で優秀な人材を集める方法労働時間厳守を実現させたい経営者さんへでも書きましたが労務問題が出てきます。決められた労働時間の中で従業員に売上高を稼いでもらわなければいけないわけですが、これを保険診療だけで従業員に達成してもらうことは相当ハイレベルな作業になります。集客スキルを身につけるよりも、ハードルが高いと思います。

となると、やはり自費導入や集客スキルは必要不可欠なスキルとなっていくと思います。

まとめ

1人で整骨院を運営していけば、赤字確率は低いが働ける期間が限られるのでこれはこれでリスクが高く、従業員を雇用すると固定費が上がり赤字の確率が高くなる。

 

保険診療のみで経営していくことのリスク

1.客単価がコントロール出来ない

これが一番の要因でしょう。ご存じの通り、年々保険診療の単価が下がってきております。保険診療の単価については、国が決めることで経営者側には一切決定権がありません。今後も保険診療の単価が下がることはあっても上がることはないでしょう。整骨院のメリットとすれば保険診療が行えること(患者の負担金が少額である)ですが、このメリットがドンドン薄れていきます。

確かに患者の支払額は変わらないでしょうが、院の取り分が少なくなり院を存続させていくことが困難になっていきます。そして、患者はシビアなもので院が儲かろうがどうしようがしったこっちゃありません。保険施術で30分くらい施術されている院もありますが、保険診療で30分施術を行えば従業員の雇用体系が劣悪になることは少し考えれば分かることですが、患者は見て見ぬふりですよね。「安くて、長時間施術してくれてラッキー的なもんです」保険診療単価が下がったからといって、クオリティーが下がったり、施術時間が短くなることは許してはくれません。

いまだ保険施術で30分くらい施術されている院もありますが、今後保険診療が下がっていけばこれで院を運営していくことが困難になってきます。現在は新患数や都道府県によって変動すると思いますが、だいたい保険診療のみで運営していると客単価1,500円前後というところだと思います。1時間3,000円程度稼げていたところが、診療報酬の低下により人時生産性が下がっていきます。

 

2.売り上げを上げる方法が、客数を増やす方法しかない

2つ目の理由はこれでしょう。皆さんご存じの売り上げの公式、客数×単価×購買頻度ですが、これを保険診療のみの整骨院に当てはめて考えてみましょう。整骨院の売上高を1ヵ月スパンで考えた場合ですが、単価は院に決定権が無いので全く対処方法がありません。となれば、通院頻度を上げようと考えるわけですが、整骨院という業種上1ヵ月の通院頻度の上限が存在すると思います。通常の整骨院の場合路面店で1ヵ月の平均通院頻度5~6回、CS等の整骨院の場合4~5回程度がこれまでの整骨院さんを見てきての通院頻度の限界値だと思います。

では、老人患者を増やしたり、学生を増やしたりで通院頻度を上げようと考えるかもしれませんが、長期頻回施術という縛りもあり安易に1ヵ月の通頻度を上げる事も出来ません。

上記のように客単価、通院頻度も上げれないとなってくると、客数を伸ばしていくしかなくなってきます。「じゃあ、客数伸ばせばいいじゃない」と思うかもしれませんが、これまで保険診療のみで運営してきた整骨院さんが、客数を伸ばすぞといういことで急に集客できるとは考えにくいです。

客単価はドンドン下がっていく、通院頻度も上げれない、集客したくても方法が分からないということで、手詰まりになり閉院の危険性が非常に高くなっていくという流れです。保険診療の単価が下がっていくということは、今まで通りの客数でも売上高が減少していくということです。整骨院業の性質上、営業時間内で施術出来る客数は決まっているので、客単価の減少に合わせて、施術時間の短縮で稼働率を上げてなおかつ集客する必要が出てきます。

ということで、保険診療のみで運営されえている経営者さん、今すぐ自費メニューを取り入れよう。「まずは、10分1,000円の延長施術からはじめてみよう」なんてことはせずに思い切って、短時間の高単価メニューを取り入れてみよう。もし誰も購入してくれなくても、やめればいいだけなのでリスクはゼロだ。逆に低単価(10分1,000円)メニューを取り入れてしまい、患者がそれに慣れてしまえば後から修正する事の方がとんでもない労力になってきます。

以前書いた1人整骨院での自費オススメメニューも良ければどうぞ。

保険診療単価が下がれば「従業員の労働時間を増やし帳尻を合わせばいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、これだけ整骨院が増えている状態で劣悪な労働環境では従業員の確保も出来なくなりますのでオススメできません。

 

まとめ

上記のような理由から、個人的には今後整骨院が保険診療のみで運営していくことは非常に困難だと思います。悲しいかな、時代の変化とともに合わせて変化することが出来なければ生き残っていくことは出来ません。これがミソで、才能があったり頭が良かったり、資金が豊富だということが生き残っていくための条件ではないというところです。時代の変化に合わせて柔軟に変化する事が出来るこれがポイントです。かつて、整骨院業界で有名だった院が変化出来ずに、業績不振になっている何てこともあります。

時代の変化という強い流れには、誰も勝てないこれは歴史が証明しているのではないでしょうか?なんちゃってね~

最近、TV通販番組で整骨院の施術者が健康器具等をオススメしている方が増えているように感じます。メリットがあるようなないような何とも言えないような気がします。う~んてな感じですね。


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