整骨院や整体院での分院長を選ぶ指標について書いて行きます。これまで見てきた治療院さんの大半は勤務歴の長さや施術の熟練度などで分院長を選定されていました。これ自体が悪い分けではありませんがいくつか問題があって、これらの方法で分院長を選ぶと基本的にトップダウンの方法になり、下の人間が伸びにくいという現象が組織で起こります。
当然の現象で院長業務と施術者としての能力や勤務期間はイコールではないので、経営者が「仕事がしやすい」や「施術が上手」などの指標で選ぶことはトップダウンの組織になりやすくなります。院長業務に必要な能力に関係のない指標で選ぶ事になるので当然の結果となります。
トップダウンの組織が悪い分けではない
トップダウンでもボトムアップの組織でもどちらでも良いと思います。重要な事は自分が経営者として「どの組織づくりをしているのか」を理解しているかという事です。多くの経営者さんは組織の在り方としてボトムアップの組織づくりに取り組まれている院が多いと思います。
トップダウンの組織
トップダウンの組織では職位を経営者の一存で決定しても問題ありません。問題ないことは無いのですが、それでもやれないことはないので。ただし、退職時に大きく業績が傾く可能性が高くなります。それまでに分院長を行っていた人材が退職すると業務レベルを下げずに業務委譲する事が出来ないので業績が傾きます。また、次期分院長候補の育成を行えていない傾向も高いです。
トップダウンの組織のメリットは上手くいっている時は非常にスムーズに組織が回ることです。綻びが出るとダメージがデカい事がトップダウンの組織の特徴かなと思います。この綻びが結構な破壊力で出てきますので要注意です。
「従業員等の意見を取り入れているから、うちはボトムアップの組織だ」というのは少し違います。ボトムアップの組織を行うためには絶対的に各職位に適正な人材が配置されている事が必要になります。
ボトムアップの組織
この組織はトップダウンの組織と違って人材育成等の手間が常にかかります。治療院業界で出来ている院は少ない印象です。人材育成を行ったり、勤務評価制度を導入したり、会議で従業員の意見を聞くことがボトムアップの組織という事ではありません。
従業員の意見を取り入れる際の注意点ですが、そもそも意見を取り入れるべき知識があるのかという大きな問題を度外視して下の意見を吸い上げると組織が無茶苦茶になります。急がば回れではないですが、強固な組織を作るための鉄則は「急がば回れ」が鉄則になります。従業員の意見を吸い上げる際には従業員の知識レベルと聞くべき内容を吟味する必要があります。
色々な会議を見てきましたが、会議が適正に行われている事は非常に少なく感じます。
関連:会議のやり方
そう考えると治療院組織の場合は大きな規模になることは少ないと思いますのでトップダウンの組織でもいいのかもしれませんね。
それでもボトムアップの組織を作りたいならばこの指標で分院長を選ぼう
ボトムアップの組織を作りたいならば、職位の決定に経営者の感情論を含んではいけなくて各職位に準じた能力を持っている人材を選定する必要があります。
分院長にとって必要な能力を見極める業務内容はフロアーコントロールになります。フロアーコントロールはピークタイムには一瞬で様々な判断をする必要があります。スロータイムにも同様で全スタッフの作業管理が出来ている必要があります。
フロアコントロールをやらせてみると分院長に向いているか向いていないかが一発で判断できます。フロアーコントロールは残念ながら向き不向きがあります。教えても中々出来ない人は出来ませんし、出来る人は初めから出来ます。
そういった意味で人材育成の鉄則である「能力の高い人材を選抜する」という方法になります。使いやすい人材を選抜して組織を固めるのか、能力の高い人材を選抜して組織を作るのか、どちらを選んでもメリット・デメリットがあります。それぞれの特徴を理解して組織がどの方向に向かっているかを経営者が正確に認識しているのかが重要です。
組織が大きくなればなるほど、キレイごとだけでは済まなくなります。「皆の意見を聞いて」「皆が楽しく仕事して」何て事だけでは成り立ちません。大きな組織を維持していくためには苦渋の決断の必要になりますが、それが経営者の重要な仕事なのかもしれませんね。
さあ、あなたはどうしますか?面倒だから、変化を起こすことが怖いからなどでやらないことも一つの道です。個人的に注期の規模にもよりますが職位に合った人材を選抜して、適正な事をボトムアップで吸い上げる事が一番キレイにかつ安定して経営できると思いますが面倒ですかね?
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