会議のやり方について、質問を頂いたので答えてみます。以下、質問内容になります。
幹部のみの会議は、
具体的に何をして、どういう目的でやればよろしいでしょうか?
という質問です。(詳細はカットしています)治療院でも会議をする院が増えてきました、私もこれまで従業員の時には、何度も会議をしましたし、ゲストとして外部の治療院会議にも出席してきました。
何を会議で議論すべきか?についての答えにはなっていませんが、会議を効率よく行う方法をまとめてみます。しかし、何で経営者さんは会議する事が好きなんでしょうか?
以前いた職場でも、何かあると「院長集めろ、全員集めろ」ということで会議が開かれました。(残業代出てたから問題ないんですが)ハッキリ言うと何にもないのに会議したりもしていました。
会議の種類について
効率よく会議をするためには、準備が大切です。準備とは会議の目的を明確にしておくことになります。よくある会議の種類を分類してみますので、実際に会議をする前に「どのタイプの会議?」と参考にしてみて下さい。
- 問題点を見つけるための会議。
- 問題点は明確になっており、解決策を議論するための会議。
- 問題点も解決策も明確で、作業割り当て「いつ、誰が、何をするのか」を伝達するための会議。
1.問題点を見つけるための会議。2.問題点は明確になっており、解決策を議論するための会議。
このタイプの会議は結論から言うとホトンド意味なしです。幹部や平社員を集めて、院の問題点を話し合おうということで会議を行っても、議論はされますが肝心な「いつ、誰が、何をするのか」は大半決まりません。
理由は明確で「決定権を持っていない人間が企画を考えたところでホトンド採用されない。」という理由です。
例えば、幹部を集めて院の問題点を話し合えということで会議が進んだとします。出た問題点が「離職率が高い」としましょう。
- 問題点:離職率が高い。
- 解決策:拘束時間の短縮(営業時間の短縮)、トレーニング内容の緩和。残業代を支払う。
上記の内容が会議で上がってきた場合に、経営者さん採用できますか?ということです。
- 拘束時間の短縮をするために、営業時間を短くしてくれ。
- トレーニング内容が厳しくて新入社員が辞めていくので、もう少し楽に習得できるように、トレーニング期間の延長をして下さい。
と来た場合に、採用できる経営者さんはほとんどいないと思います。「そんなことは不可能だ」と怒って不採用が結末ということではないでしょうか?最終的に決断をするのは、決定権を持っている人間になるので、皆で会議をしたところで会議の趣旨が変わっていき、決定権を持っているヒト(経営者)がYESと言いそうな内容に会議の方向性が向いていきます。
以前、こんなふざけた会議がありました。上記のように経営者が「社員皆でどうすれば会社が良くなるか話し合え」ということで会議が行われたのですが、1回目は経営者の顔色見ながらするので、会議が進まないうえに、トンチンカンなことを言う社員も出て来るし、誰も発言せずで、場の空気がドンヨリで結論が出ずに終わっていきました。後日、社員をまとめるSVさんが経営者から死ぬほど怒られたそうです。
数日後、同じ内容で2回目の会議が開かれました。「次は、前回のようになってはタマラン」ということで、SVさんがしたことは一部の幹部に「こういった内容で話し合って、最後はこういう結論でいきましょう」と事前に伝えました。ということは、皆で話し合えということは表向きの理由で、本当は経営者が欲しい答えが決まった上で会議をさせていた。ということです。
上記の例は極論になるでしょうが、従業員に会議をさせた場合、経営者が望むような答えだけが出てくることはホトンドありません。ぶっ飛んだ結論が出ることも多々あり、大半が不採用となるでしょう。
ということで結論
問題点を明確にするための会議は、大半が時間の無駄。問題点の発見と解決策は決定権を持っている人間が1人で考えよう。
もちろん、平社員が考えた案が本質を突いていることもあるでしょうが、大半の経営者さんがその意見を採用する勇気が無いので意味なしになってしまいます。なので、従業員を集めて問題点の発見や解決策を議論する会議をする場合には、全て採用した方がいいとは言いませんが、会社の在り方を抜本的に変える必要がある案が上がってくるケースが多いように感じます。
会社の運営方法をガラッと帰る勇気が無いのなら、経営者が問題点、解決策を考える方が効率が良い会議が出来ると思います。何度も会議をして、その度に納得いかない理由で企画不採用になると、従業員のモチベーションが下がっていくことになります。
例えば、孫さんが今後の会社の方針や解決策を部下に相談するとは考えにくいと思うのですが、あくまでも今後の方針や解決策は1人で考え、実現可能なのかデータ―収集の指示を出したり、現場レベルや法的に実現可能なのかを部下に調査させるというような流れではないでしょうか?
経営者が従業員に「今後会社をどうしていくのか?」「どうやったら解決出来るやろ」ということを聞く方が冷静に考えるとおかしいと思います。これらはまさしく経営者の仕事ではないでしょうか?
仮に社員に会議をさせるのならば、リスクを考える必要はありますが、本当に社員に実行レベルの決定権を持たせることが出来るのか?を先に考えなければいけません。
「社員の意見を聞いて会社を運営していくために」や「自分で考える力を付けるために」ということで社員に会議を任せる会社が多いですが、大半の社員は「何が問題点なのか」「どうすれば解決できるか」が分からないから、従業員として働いているわけです。
もちろん中には、優秀な社員もいて問題点と解決策を見つけることが出来る社員もいますが、大半の経営者は自分が思いつかないことを社員に言われても、実行できない経営者さんが多いように感じます。
オススメの会議のやり方:問題点も解決策も明確で、作業割り当て「いつ、誰が、何をするのか」を伝達するための会議。
まずは、この流れの会議が一番効率が良いと思います。ざっくりとした流れはこちら。
- 決定権を持っている人間が、問題点と解決策を決定しておく。
- 社員を集めて、何故するのか?「いつ、誰が、何をするのか」の作業割り当てを行う。
こんな感じの流れになります。上記の2.を見て頂きたいのですが「何故するのか?」をしっかりと伝えておくことで、今後考えることのトレーニングになります。ただ「今後、○○していくから、○○して下さい」のように目的と方法論だけを伝えるということではない所が大きなポイントです。
何故するのか?を伝えておけば、今後社員が考える際の土壌を作ることができます、キツイことを言いますが、治療院業界の社員は治療院でしか働いたことがない、というケースが多く、自分で考えるという経験値が非常に少なくて、何を基準に考えればいいのかということを知りません。
この考えるための基準を「何故するのか?」を伝えることで、徐々に蓄積していくことが出来ます。
雑にまとめると
- まずは経営者一人で、問題点と解決策を考える。
- 社員を集めて「何故するのか?」を伝えて「いつ、誰が、何をするのか」を決める。
上記の流れを繰り返して、経営者の考えるための基準を社員に浸透させてから、社員だけで会議を行わないと実行可能レベルの有益な会議は出来ないと思います。
ハッキリと言葉を選ばずに言うと、経営として考える習慣が治療院業界の社員は少ないので、まずは「どのように考えるのか?」を指導しなければいけません。
これが無ければ、皆で会議をすることが目的になってしまいます。皆で集まって話をして、何にも解決策も見つかっていないのに、ただただ「会議をしなければ」ということで、無意味な会議を繰り返す院を沢山見てきました。
乱暴に聞こえるかもしれませんが、会議をするならば「いつ、誰が、何をするのか」まで決まっていなければ、その会議は無駄ということです。
会議の目的が、会議をすることにならないように注意が必要です。会議の目的は「いつ、誰が、何をするのか」を決めることが会議の目的です。
補足:よく会議のやり方で「自由な発想が出るために否定はしない」とか「皆で自由に意見を出し合って」ということが言われますが、これが出来る会社は相当レベルが高い会社です。いきなり「自由に発言していて下さい。」ということで会議をしてもグダグダになるのが大半です。まずは、基本のトップダウン形式の会議をマスターすることが大切だと思います。
自由な会議は基本が出来てからでいいのではないでしょうか?
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