従業員、タイプごとの傾向と対策

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治療院のようなスモールビジネスでは、従業員をどれだけ戦力化できるかが重要になってきます。細かな説明の前に、ちょっと注意点を1つ。治療院業界だけではないですが、経営者さんが他の有名経営者さんに憧れる傾向が非常に強いように感じます。

稲盛さん、孫さん、もろもろ有名どころの経営者さんに憧れる経営者さんをよく見かけます。ですが、偉人のような経営者さんは特別な能力とカリスマ性、そして強運を持っておられる人間です。

奇跡的な経営を実現されたわけですが、冷静に考えると奇跡的ということは、ホトンド再現不可能だということです。もちろん、理想を目指して改革を進めていくことは大切なことですが、熱い気持ちが先走りして、目の前の従業員のことが見えなくなり、退職者を多く出しているケースも多くみられます。

現実的に、自分の持っている運、能力、カリスマ性、従業員の質に目を向けて、やるべき当たり前の事をしっかりとやることでも十分に現状を変えることが出来ると思っています。

これまでも何度も書きましたが「熱くなる気持は抑えて、目の前のやるべきことをやろう」です。経営者だけが熱くなり従業員と気持ちで大きく差が出てしまうと良い組織は出来ません。皆が理想を目指して実現できるならば、治療院業界は今こんな風になっていないと思うのが見解です。キレイごとだけでは経営は出来ないのに、経営者がキレイごとを言いだすと組織が混乱していきます。

 

 

従業員のタイプ別紹介

私のそんなに多くない経験上でのお話になりますが、参考になれば幸いです。ヒトが二人以上になると組織と言いますが、ヒトが集まると不思議な物で一定の法則のように色々なタイプの人間が集まります。

ここでのタイプというのは、仕事に対する考え方と能力ということで説明していきます。言葉遣いには注意していきますが、オブラートに包みすぎると伝わらないと思うので、ザックリハッキリと書いていきます。

タイプ1:能力的に厳しい従業員

このタイプの従業員は、必ずと言っていいほど一定数存在します。同じ説明を受けても、理解力が低かったり、仕事が遅かったり、精度が低かったりと、1人で作業させると何かしら問題を起こす従業員になります。

彼らは例外を除くと、自分が他者よりも劣っていることを理解しています。その分、努力を惜しまない傾向が強いように感じます。あまり負荷を掛け過ぎると退職に繋がったりしますので、しっかりと院の状況を見ながら接する事が重要です。多少の差はあれど、組織の中にはこういった従業員が必ず存在します。彼らがいないと院が回らに状況になることも確かではないでしょうか?このことを覚えておくことも重要です。

対策:
説明したように、能力が他者と比べて低いので、経営者のストレスも増えてきます。能力を上げようと色々試みてはみますが、お世辞にも成長速度は早いとは言えません。

  • 最低限の業務をしてもらうこと。(その為の負荷は掛けるべきです。)
  • 努力しているということで、無理がある業務を任せない。(本人は望んでいないこともある)

タイプ2:能力的には普通で、野心が無いタイプ

このタイプの従業員が一番比率が多いように感じます。自分の意見を主張したりすることもないので、多くの経営者さんにとって一番扱いやすい従業員だと思います。

自分の意見を主張はしないのですが、逆に言うと「指示されたことしかしない」とい特徴があります。自分で「より効率よく、より精度を上げて」ということを考えることも皆無に等しいです。

指示されたことを時間内にこなすことが彼らにとって仕事になります。よくあるのは、こういった従業員に対して経営者が「今後○○していこうと思うけどどう思う?」「新しい取り組みをしようと思うのだがどう思う」と聞いてしまうことです。

もちろん彼らは、自分の意見を主張する事が無いので内心「面倒くさいな」と思っていても「社長、いいですね」と答えます。本心を伝えて、議論する事が面倒なので本心を伝えません。

この「社長いいですね」を鵜呑みにして、従業員皆の意見だということで、都合に良い解釈をしてしまう経営者さんが多いように感じます。こういったタイプの従業員に何を聞いても「いいですね」と答えます。「いいですね」と言って欲しい時には、彼らに聞くのが一番です。

対策:
とりあえず、大きな仕事を任すことは危険です。確かに新しい仕事を任せて経験を積ませて成長促進させるという方法もありますが、本人は望んでいないので、プレッシャーで潰れるか、適当にこなして何も学ばずというケースが多くなります。

能力は平均的なので、そこそこの業務はこなしてくれます。これらには、比率的には一番多くなってくるので、彼らにどれだけの多くの売り上げを生む作業を任すことが出来るかが院としては重要になってきます。

タイプ3:能力は高いが自己主張が強く、処世術が苦手なタイプ

このタイプは能力が高いので、仕事を任せると大きな戦力となります。ですが、諸刃の剣で細かなことに気がつくので院のやり方へのツッコミも多くなり、経営者との意見のぶつかりも多くなります。

彼らの特徴は、とにかく仕事で成果を出すことが一番のモチベーションとなります。仕事で成果を出すためならば、経営者との対立も恐れません。そのため、経営とぶつかり退職する事も度々です。

彼らにどれだけ仕事を任せられるかが、院が成長できるかの分かれ目になるように思います。経営者からすると、目障りでしょうがないでしょうが。

対策:
彼らは、学ぶことハードワークする事も厭わないですが、取り扱いには非常に注意が必要です。優秀とはいえあくまでも、他の従業員と比べてになります。新しい経験を積ませればドンドン成長していきますし、ドンドン意見も言ってきます。

彼らの意見を鵜呑みにするのではなく、あくまでも経営者が最終的には責任を取ることになるので経営者が自分で判断する事が大切です。その時には、しっかりと納得のいくような説明をすることが彼らには重要になってきます。

 

タイプ4:能力は高く自己主張が無く、処世術が得意なタイプ

このタイプは能力が高く、仕事を任せても安心できます。ですが、一癖ありましてモチベーションは組織の中で出世することや収入を上げることが目標になります。出世する事が行動基準になるので、院の売りげにはあまり興味がありません。

どうすれば出世できるかは、多くの院では簡単で「社長さんそれいいですね」と言うことが出世に繋がります。自分の意見は、自分が不利益になる場合のみ発言します。それ以外はダンマリです。

対策:
彼らの取り扱いは非常に難しくなります。下手に頭が回るので、保身の行動が強くなります。また、多くの経営者にとっては都合の良い人間なので、多くの場合彼らが幹部を任されることが多くなります。

以前読んだ本で「YESマンが会社を救う」とかいう本があったような気がしますが、結局はポイントはそこで経営者が自分の枠を超えた従業員を認知出来ているかを冷静に分析できているかのような気がします。

自分の枠外の従業員を認めないならば、キレイごとを並べたところで意味がありません。どれだけ、公正に能力で役職を決めることが出来るかが、どのような経営スタイルを取り入れるかよりも重要だと思います。

さあ、経営者さんその勇気はあるか?

 

よくある治療院組織図

経営者をトップとした、よくある組織図をピラミッドでご説明したいろころですが、ピラミッドの構図を作るのが大変なので、上から順にピラミッドだと思って下さい。

  1. 経営者
  2. 能力は高いが自己主張が強く、処世術が苦手なタイプ
  3. 能力は高いが自己主張が強く、処世術が苦手なタイプ
  4. 能力的には普通で、野心が無いタイプ、能力的に厳しい従業員

上記のような組織図が非常に多い傾向があるように感じます。簡単に言うと、経営者がYESマンで周りを固めて後は、ゴチャゴチャうるさい従業員には平社員よりは少し責任のある仕事を任せて、平社員は決まった仕事をさせておく。

ハッキリ言うとこんな感じの組織図です。

 

最後にもう一度言いますが、組織はキレイごとだけでは出来ない。キレイごとだけ言う経営者の会社は実は・・・

公正に好き嫌いなく、能力で評価し適材適所が健全な組織のような気がしますが、経営者さんいかがでしょか?


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