今回はタイトル通りのこれから整骨院の開業を考えている方や開業ホヤホヤの方へ向けたの内容になります。これから本題に入りますがその前に、治療院業界も色々派手な実績が出回っています。当然のごとくいきなりそのステージに到達できる方はごく一部なので目の前に起きてる現実に目を向けて、正確に現在地を知り今必要なことを選択する力が非常に重要になってきています。
と言いますのも人は「売上＝自分の能力」と勘違いする事が非常に多くなり、これが長期で見ると治療院経営を不安にしていきます。
企業は経営者次第といわれる。しかも業績がよくなる時より悪くなる時の方が経営者の占める比重が大きい。小林陽太郎
↑のように経営を上手く行っている時にこそ、冷静に「自分の力なのか？運なのか？」を見極める事が必要です。ウザイ事を書きますが、上手くいっている時は「運がよかった」と思うくらいで丁度いいかと思います。
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これから整骨院を開業する事を検討されている方へ
残念ながら「開業すれば儲かる」の時代は既に終了していて、多くの整骨院は経営状態に苦しんでいます。整骨院を閉院も後を絶ちませんが、と同時に新規開業や分院展開を進めているグループがあるのも現実です。
なぜこのようなことが起きるのかと言いますと、完全なる２分化が起きています。順調な院と不調な院の差が非常に大きくなっています。これから整骨院を開業するという事は遅かれ早かれ自費での売上高も確保出来ないと今後確実に苦しくなります。開業を考えている方へ酷な話ですが、本当に厳しい業界になってきています。という事で今後整骨院業界が苦しくなる２つのポイントを紹介します。
- 療養費の減収
- 柔道整復師の人材確保が困難になる
この２つのポイントは今後整骨院を本格的に苦しめていく事になります。療養費の減収により本当に多くの院が経営に困っています。この対策として自費売上高を上げていくという対策が急務となっていますが、今後の整骨院での最低ラインである（個人的に思っています）客単価2,600円突破（出来れば3,000円を超えておきたい）のノウハウがあるのかどうかを考えてみて下さい。
柔道整復師の人材確保ですが、間違いなく今後は柔道整復師の数は減っていきます。現状でも柔道整復師人材確保が難しくなっています。人材紹介会社を利用すると数十万円の紹介料が必要になり、その人材もどれだけ勤務してくれるのかも保証もありません。業界全体の傾向として独立や早期退職の傾向が高いので、その点をどうクリアしていくのかも考えなければいけません。
「療養費、人材確保は間違いな厳しくなっていく」という大きな2点は今後の整骨院経営の大きな課題となってくるでしょう。そう考えると整骨院ではなく完全自費で経営していく事も考えなければいけません。
本当に多くの整骨院が経営状態に困っています。相当な根性を入れて開業する気が無ければ、開業を断念するというのも一つの選択です。「今後の整骨院経営に一番必要なことは何？」と聞かれると細かな方法論ではなく「継続力」と答えます。
「分からないことがあれば調べて、行動する」が本当に重要です。これから求められることは１００ｍを９秒台で走る力ではなく、ゴールの見えない距離を小走りで休憩しながら走る力だと思います。これがなかなか大変で、多くの方が出来ません。
ここまで書いてきましたが、整骨院開業に関して否定的な内容になっています（？？）。それでも開業する事を考えるならば開業してからのシミュレーションを「全ての事が上手くいかない」と想定して準備を進めて下さい。
「開業するだけでは新患が来ない」「求人を掛けても応募が無い」「療養費が下がる」などなど「上手く行くだろう」という希望的観測ではなく、これでもかというくらい否定的な考えで開業準備をしてください。
開業時の注意点はまだまだありますが、最後に一つ設備投資などは最小限に行い経営が軌道になるまでは設備に対する資金の投下は最小限に行いましょう。
開業して順調な方へ
開業して順調なことは何よりです。この状態が続くと多いパターンが分院の出店ですかね。分院の出店については色々と注意点はありますが、どうしても分院を出店するならば一つだけポイントがありまして、１店舗目を超えるつもりで準備を進めましょう。分院展開で多いのは「もう少し利益が欲しい」という事で準備や投下する資金エネルギーをそこそこにすることで、想定していた利益の獲得が出来ずにいる院が非常に増えています。
１店舗目を開業した時の熱意を持って準備を進めると、分院展開も上手く行くのではないでしょうか。余談ですが、分院展開をするという事は人が増えます。そうするとこれまでと違った人の問題が増えて、「売上、利益は確保できても分院を閉める」何てことも珍しくありません。人の問題は経営者の精神力を疲労させますので、マネージメント力を分院展開をする前にしっかりと磨いていきましょう。
開業して不調な方へ
念願の開業を果たしたが「想定外だ！！ヤベー」という方も少なくないと思います。ここからが腕の見せ所です。（経営者として）開業してから１０年以上経過している院でも、業界全体の変化により業績不振いなっている事も珍しくありません。
自分がトップになることで怖いところは、「全ての選択を自分で行う為、自分を追い込むことが出来ない」というところです。業績が芳しくないが、「頑張れない」という方も少なくありません。
業績を現状よりも大幅に上げるという事は、必然的に「行動量が爆発的に上がる」「行動指針の方向性が根本的に変わる」のどちらかになります。「少しずつ」を積み上げて大きなものにしていかなければいけません。「少し動いてすぐやめる」を繰り替えさないように「続ける」という事を頑張ってみて下さい。
マズイのは本気で頑張れずに、終わることです。「時間が出来ればやる」という方で行動した方は記憶にないです。
未知な事に取り掛かる場合には、いきなりセミナーなどには参加せずにその事について「ネットで調べる」「本を読む」を行い行動してからセミナーに参加しましょう。全く行動せずにセミナ―に参加するのとでは雲泥の差が出ると思います。時間短縮のためにセミナーに参加するという考えもありますが、「分からないことがあれば調べる」という力は必ず必要になります。
とにもかくにも「集客」に力を入れよう
これから開業を考えている方も開業して順調な方も不調な方も、とりあえず「集客」のみに集中してみましょう。とにもかくにも院に患者がいなければ院は存続出来ません。
これから開業を考えている方へ
開業して集客するための施策が自分で打てるのかが非常に重要になってきます。業者に依頼してサイト作ったり、チラシを配って集客出来なかったときに、次の手はあるでしょうか。一度考えてみて下さい。
開業して順調な方
現状で毎月１００名集客出来ていても重要なことは、「それを狙って起こせているのか？」という事です。店頭から思わぬ数が集客出来ていたり、たまたまライバルがいなくて検索上位を取れて集客出来ていたり、口コミサイトからの集客に依存していたりなど、分院展開を行う際に再現性があるのかを慎重に判断しましょう。
冷静に分析して「運が良かった」となったならば、しっかりと資金を投資して集客するスキルをマスターしましょう。これが出来なければ分院展開に苦戦する事になります。
開業して不調な方へ
経営状態が不調な方は言うまでもなく集客に集中して下さい。「広告費を掛けて新患を集める」という事も整骨院業界では当たり前になってきています。初めて集客にお金を投資する方の「あるある」を書いておきます。
「それは初心者は広告費を下げる事は考えるべからず」です。広告費を下げる事はもちろん重要なことですが、初心者がいきなりコスト削減という事で広告費をケチっていては時間が掛りすぎて増々経営状態が苦しくなります。新患獲得コストを下げる施策は上級者が取り組むことだと思います。
資金的に苦しい状況では直接的な集客以外にお金、エネルギーを投下しないようにしましょう。設備投資や自院には売りが無いという事で手技セミナーに通ってみたりなどの事です。とりあえず人を集める事にのみ集中しましょう。商品開発に力を入れるのはそれからでも遅くはありません。
「売れる＝商品力×伝える力」のような公式があります。（自論）商品力だけでは売れなくて、商品の魅力を欲しい人に伝える力がこれからの治療院に求められています。
まとめ
- ポジティブと楽観的は違う
- ネガティブと慎重とは違う
最後の最後には「やらなければわからない」という状況が来ますが、その時までは慎重すぎるほどに準備をしましょう。とにもかくにも「開業すれば儲かる」という時代は終わっていますので、慎重に取り組んでいきましょう。放置して勝手に状況が好転するという事は考えにくいので動くしかありません。
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