ありがたいことに問い合わせが増えてきています。問い合わせの中の一つを今回ブログにて昇華して回答する事にしました。誤解のないように書いておきますが、コンサルの仕事に関しては「去るもの追わず」の精神でやっています。と言いますのも「お願いします~買ってください」といって依頼いただいてもサービスとして機能を果たさないためです。それなりにやる気が無ければどうにもなりません。
という事で、今回保留になった問い合わせに対してブログで回答していきます。問い合わせ内容は以下になります。
- 生産性が低い
- 技術力のばらつき
- 勤務評価制度の導入
・従業員の離職が相次いだことと人材育成しても数年で退職していく→経営者が精神的にも肉体的にも疲弊していく
という治療院業界全体で抱える問題でもあります。高い技術力を提供しながら店舗経営をしていくことが出来るのか?」というと可能だと思います。以前治療家集団の多店舗展開に必要なことでも書きましたがこれを実現するためやるべきことはシンプルで「稼げない従業員の分も稼げる従業員が稼ぐ」という事が実現できれば可能だと思います。もしくは生産性が低い事で起きる経営的な負担を「従業員もしくは経営者が負担する」のどちらかだと思います。
後者の方法は長く続けることが出来ないためオススメできる方法ではありませんが。後者の方法を選択するならば負担する人間(従業員もしくは経営者、または両方)に相当な覚悟がなければ続けることは難しいでしょう。
組織改革は幹部(従業員)に相談するべきか?
さて本題に入りますが結論から書くと「正解はない」になります。組織の状態により組織改革を進める手順は異なるでしょう。
組織改革になりますので、組織に大きな変化が起きます。この際に「従業員の声を聴く」という事が必ずしも正しい方法とは言えません。「従業員の声を聞く」事が有効なケースは
- 従業員の声を聴いてその方法を採用し損失が出ても、経営者が納得できる
- 相談する従業員が解決できる思考レベル(勉強している、経験値がある)に達している
のどちらかだと思います。私の過去の経験からお話しさせていただきます。赤字治療院を1ヵ月で黒字化成功した時にやったこと感じたことの治療院で行った事ですが、一つの院で院長業務を代行した時の話ですが、経営にまつわる決定権を最終的には全ていただいておりました。(そこまでの道は楽なものではありませんでしたが・・・)
この治療院で組織改革を行った時には、まず「従業員、経営者さんともに納得させる」という事が必要になりました。突然現れた人間の言う事を簡単に信用何てできるわけもありません。
- 経営者を納得させるために必要なこと:経費を使わずに短期で売上、利益を増大させること
- 従業員を納得させるために必要なこと:指示通り動くと自分達にもメリットがあると感じてもらうこと
1に関しては数字でみえるので達成出来ました。2に関しても恐らく達成出来たと思います。(給料の増大や労働時間の短縮を実現)
この院で組織改革を進める際に従業員(幹部?)に相談したかのかと言いますと相談はしていません。自分の中で出た結論を伝えたといった感じです。少し詳しく書くと「細かな方法論となぜそれをする必要があるのか?」という2点はしっかりと説明しました。
なぜ相談しなかったのかと言うと(実際には軽く聞きましたが)一番売上高を獲得して在籍年数も長い従業員さんに相談した時に「これは無理」と感じたためです。先度も書きました相談する従業員が解決できる思考レベル(勉強している、経験値がある)に達しているに問題があったためです。
施術者としては優秀なのかもしれませんが、店舗全体の事を考えて対策を打つという視点が欠如しているためです。店舗全体の事を広い視野で見られて対策を打つことが出来る従業員さんは失礼ながら治療院業界では本当に少ないと思います。そもそもその従業員がいるならば現在の状態になっていないでしょう。
従業員に相談しないと決めてから組織改革を進める前に腹を括ったこと
多少の犠牲が出ても最後まで進めるという事を決断して進めて行きました。これは退職者が出ても構わないという意味ではありません。可能ならば退職者ゼロで進めたいのですが、時にはそうもいかない事があります。↑の院でいうと一人退職者が出ました。
一つ感じたことは治療院業界で働くうえで「優先する事は人ぞれぞれ違う」という事です。どれだけ経営面では正しい方法でも納得できない人は存在します。全ての人が納得できる環境を作ることは不可能です。これは断言できます。絶対あり得ない。
ならば経営者として院が提供したいもの(患者さんに対して)、経営者が得たいもの(利益や手技に対するこだわりなど)、従業員にたいして提供したいもの(金銭面や労働環境、実務により経験値、手技に対するこだわりなど)などの視点で経営者が決断するべきだと思います。この視点がぶれているとアレもコレもとなり結局何も実現できずになりかねません。
プチプチ・プチプチ・プチプチコンサルティング(コンサルというよりもアドバイス)
急に話は変わりまして以下の問題を何から手を付けるべきかと言いますと
- 生産性が低い
- 技術力のばらつき
- 勤務評価制度の導入
「1.生産性が低い、2.技術力のばらつき」を同時進行で進めていきます。これには理由がありまして技術力のばらつきが解消されても売上高は変化しないためです。作業に要する労力はかなり必要ですが、短期的にリターンを得ることが出来ません。ならばだ生産性を上げて(新メニュ―などを作りそのメニューだけマニュアル化してみる。小さな一歩から始める)そのメニューを積極的に販売する事で売上高の増大も見込めるからです。
即効性にのあるリターンがなければ、続けることが難しいので即効性のある作業を行いながらリターンを得つつ長期的な作業も並行していくといった感じです。
新メニュー作成とマニュアル化を同時進行する必要はありますが、大変ですがちょうどいいかと思います。このフローが上手くいけば既存メニューのマニュアル化を進めても順調に進むことでしょう。
勤務評価は余裕が出てからで良い理由
「勤務評価すれば従業員がやる気を出してくれる」かというと正直そう単純でもありません。まず従業員にどこまで求めるかで評価基準が異なるからです。○○の勤務評価制度を導入すれば従業員もやる気満々とはいきません。それよりも組織ごとに従業員にどこまでを求めてるのかが決まっているから、評価基準を決めることが出来ます。(はい、ここテスト出ま~す)
従業員にあまり多くのこと求めないならば最低限組織が崩壊しない程度の評価基準で問題ないと思います。何だったら勤務評価制度がなくても繁盛している治療院さんは沢山あります。従業員に経営者として臨むことがあるならばそれでも勤務評価制度は導入した方が良いと思いますが・・・
得るものは必ずあると確信しています。
今後関わりあう可能性が無いため、生意気ながら一方的にアドバイスをさせて頂きます。
という事で「伝わっているのかいないのか、伝わっても役に立たない」のどれかがわかりませんが、少しでも参考になればと思います。今回の依頼者さんは「一度、じっくり考えてまた連絡いたします」とのことでしたが、「一度考えます」の場合は高確率で再問い合わせはありません。www
組織の方向性を大きく変えるためにはかなりの勇気(が必要だと思います。「何が起きるのか、最後までやりきれるのか」などなど不安も多数あると思います。
ここポイントで経営者さんが不安なように従業員さんも新しいことに取り組むことは不安です。↑で書いた院で組織改革を行った後にある従業員さんに言われましたが「はじめはこの人何きれいごとばっかり言ってるんやろう」と思っていたそうです。www
組織改革であろうが、業績アップであろうが腹を据えてやる覚悟がなければ大半の場合(業績アップに関してはパッとやれば上手くいくケースがあるから勘違いしやすい、大半は無理)上手くいきません。
という事で組織改革腹を据えて取り組んでみてはいかがでしょうか。(当方に依頼するしないは関係なく)経営者が腹据えて行えないのに組織改正が成功するわけがありません。
一言でまとめると
頑張って下さい!!
以上、最後は精神論で終了となります。
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