報酬(金銭)は従業員にとってモチベーションとなるかについて

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今回は報酬(金銭)は従業員にとってモチベーションとなるかについて、私もこれまで何度も従業員としてボーナスを頂いたり、基本給を上げてもらう交渉等を何度か行ってきました。雇われ院長として勤めていたころは、面接、トレーニング、時給の決定、シフト管理等もしてきました。従業員にとってお金はモチベーションとなるかですが、結論を言うと院のカラ―によるのではないかなと思います。

身も蓋もない内容ですが、まあ辛抱してみ読んでみて下さい。以前、こんなことがありました。とあるセミナーに嫌々参加していた時ですが、とある整骨院グループの経営者さんが来ておられました。(業界内でも露出が多い方です)

その経営者さんが、スピーカーに対して1つ質問が飛びました。

  1. 経営者:「お金をもうけて、派手に使って頑張ればこんな風に成れるということは、従業員にとってモチベーションにはならないのでしょうか?」
  2. スピーカー:「それはいけません、儲けたお金はしっかりと従業員の教育費や事業拡大に回すべきです」

こんなやり取りがありまして、あなたはどう思うだろうか?これはどちらが正しいということでもないと思います。1.のタイプで経営者の成功をアピールして成功されている院も多いですよね。金=成功者をアピールして人が集まることは確かでしょう。

よくマルチ商法や、情報商材関係はこの類が多いですよね。ちょっと下品に感じますが、お金持ちに憧れる人が多いのも事実です。

2.のタイプはこれが厄介で、自分も我慢しているから、従業員に対しても給料等に対して不満を言うことを許さないケースが多くなるように感じます。そして、本当に自分もある程度の報酬で我慢出来ればいいのですが、陰でちょろまかして自分だけきっちり報酬を取っているケースが稀にあります。まあ、経営者ですから報酬を取っても問題無いのですが、キレイごと言うが、中身はスカスカだと一番最悪です。信用も跡形もなく吹っ飛びます。

1つめの結論、お金=成功を打ち出せばそれに合った従業員が集まります。経営者の方針や考え方に合った、従業員が集まるという当たり前の結論です。

 

報酬はモチベーションになるのか?論、本題

治療院業界はまだまだ、ボーナスの支給や基本給のアップを定期的に行っている院は少ないのではないでしょうか?私もこれまできっちりとボーナス支払う院や完全ブラックの院と恵まれているのかどうかは分かりませんが、様々な状況で働いてきました。

ボーナス支給と言えば聞こえはいいが赤字院を任されて、業績アップを1ヵ月で黒字化したにもかかわらずボーナスは5万円という金額でした。ボーナスは支払い義務があるわけではないので文句は言えませんが「え~」と思ったことは確かです。年に1回の基本給アップでも確か500円の昇給という額だったと思います。

場所が変わって毎月ボーナスを高額で貰う形になっても、はじめは嬉しいのですが、金銭の喜びは慣れてしまいます。当院でも、利益額の一定数の%をボーナスとして支払っていますが、はじめは従業員も嬉しそうにしていますが、あっという前に慣れてきています。

ボーナスや昇給がある院はまだマシで、全く昇給やボーナスが無い院もありました。

ということで勝手な結論

金銭の喜びは、短期間で慣れて効力を失う。

 

ここからが本題、報酬(金銭)とモチベーションの複雑な関係

上記に書きましたが、高額のボーナスを毎月貰ったり、はたまた全くボーナスの無い院もありました。ですが、業務に取り組む姿勢がその度に変わったかというと、そうでもないです。どの院でも業績を上げるということに対して、出来るだけ考えて動いたことは変わりありません。

ボーナスや昇給がある院や、全く無い院で働いて思いますが、その状況に応じた従業員が集まってきます。ここからが経営者にとって、不都合な現実でしっかりとボーナスや昇給制度があれば、しっかりと皆業務に貪欲になるのか?というとそうでもないです。個人の素養が大きく関わり、金銭とは比例しない場合が多くなります。

ですが、全くボーナスや昇給を支払わない院は、貪欲に業務を行う従業員が圧倒的に少なくなる傾向が多いように感じます。ボーナスや昇給を行えばやる気満々になるかというとそうでもなく、かといって支払わなければ業務指示に対して馬の耳に念仏的になりやすいです。

報酬は経営者にとって非常に取り扱いが難しく、しっかりと支払ってもモチベーションが上がるのは短期間だが、減給やこれまで支払っていたボーナスの支払いを辞めたり(理由が従業員にとって納得できない場合)すると、一瞬で信用やモチベーションは奈落の底へ落ちていきます。

本当に注意深く報酬の取り扱う必要がありまあすので、経営者さん注意が必要です。

 

報酬がモチベーションに繋がるのは、金額ではないという話

治療院業界だと、他業種に比べてボナースで100~200万円支払えるという院は無いでしょう。このことを前提に読んで下さい。治療院でボーナスを支払うと言っても、数10万円単位でしょう。(業務委託のように完全歩合制は別の話)ということは金額でモチベーションに常げる事は難しくなります。ましてや、治療院業界だと従業員に対して、売上高を提示していない院も多いことでしょう。

ボーナスが少ない時には1万円何てこともありましたが、モチベーションは下がりません。(不満には思いますが)金額よりも大切なことは、何に対してボーナスが支払われているのかを明確にすることです。

評価期間の間でどの業務が評価されたか?ということが、従業員にとっては金銭よりも重要になります。いわゆる勤務評価になりますが、これを公正に評価してあげることが従業員にとってはめちゃめちゃ重要。同じ金額を支払っても、業務に対する取り組み方が雲泥の差となります。

もしあなたの院で、昇給制度やボーナスの支給を行っているならば、金額よりも何に対して支払ったのか?を重要視しよう。評価基準を明確にしないで支払うと、一瞬にして金銭に対するモチベーションは消えうせ。日々の業務は元通りになっていくでしょう。

小額のボーナスを支払うことしかできない治療院業界では、ボーナスはあくまでも評価内容を形として伝えるための物でしょう。しっかりと評価するところは評価すると同時に、修正点も伝えることが出来る非常にいい機会になります。

ということで、昇給やボーナスの支払いを検討してみてはいかがでしょうか?

 

まとめ

  • 金銭は支払っても効果は短期的で、支払わなくなる(不明確な理由で)と一気に信用やモチベーションは奈落の底へ。
  • 金銭は評価点を明確にして支払わないと、モチベーションアップは短期間に終わる。

 

昔の友人(友人と言っても一回り年齢は上)が、モチベーションアップの為に名前は知らないが、泊まり込みのセミナーに通っていました。大声を出したり、感情を揺さぶるようなこと(大声出して泣いたらしい)をするようですが、果たして解決に繋がるのかは疑問です。(とはいえ、一度内観には行ってみたい)友人は一度事業に失敗し、自信を取り戻すためにいったようです。何をやっても上手くいかなかったり、妥協や限界を感じて自分に対して落ち込むことは皆あると思います。

こんな時の解決策を1つ、これは淡々と仕事をして小さな成果を出すことです。本当に小さな成果で良いので、成功体験を積み自信を取り戻すことです。結局は、現実に戻って一人で仕事をしなければいけないので、小さな成功体験で自信を取り戻すことです。

辛い時に一人で乗り切ったということも、後々大きな自信になります。もし、私の友人のように自信を失っている方がいらっしゃいましたら、とりあえず黙々と仕事をしよう。合宿やセミナーに参加しても結局は帰ってきて、仕事はしなければいけないのだから。辛い気持ちは分かります。でも、頑張れ。頑張れない時があるのも分かります。それも踏まえたうえで、頑張れ!!

 


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