多店舗展開

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今回は(今回も?)人材育成について、本音で語りたいと思います。ここまで何度も何度も人材育成について語っていますが、規模が拡大していき組織を潤滑に回すためには、キレイごとだけでは不可能だと思っています。これまで店舗数だけでみるとトップクラスの幹部や経営者さんとお話しさせて頂く機会がありました。5店舗のオーナーとかではなく、40~50店舗レベルです。

そこで、感じたのは店舗数=マネージメント力ではないという事です。

多店舗展開をお考えの経営者さんが、見本を探す場合には既に多店舗展開を実現されているグループを見本とされる方が多いと思います。どこの骨の馬かもわからない、ブログを書いている人間よりも参考にしやすいはずです。「店舗数が多い=組織マネージメントが出来ている」のロジックが出来るからだと思いますが。

治療院組織に必要な人材育成とは

治療院で人材育成に取り組まれている院も増えていると思いますが、「そもそも治療院に人材育成が必要なのか?」という事も一度疑って考えてみても良いと思います。何を目的として人材育成をするのか、ハッキリと回答できる経営者さんは少ないのではないでしょうか?

人材育成を行う目的は、治療院では大きく分けて2つに分かれます。

現場での業務を潤滑に行う為の人材育成

これは患者対応(新入社員のリピート率が低い、院長業務全般)などを潤滑に行う為に、必要な人材育成になります。新入社員への人材育成などは基本的にこれにあたりますが、この人材育成について思う事は外部研修やセミナーへの派遣は必要ありません。

新入社員や施術スタッフなどの人材育成に問題がある場合には、以下の3つが問題となります。

  1. ツールなどの精度が低い(マニュアル、評価制度、ヒューマンリソースプランの計画性が低い)
  2. 指導者側のスキル不足
  3. 従業員個人の基本スキルが低い

「新入社員の覚えが悪いんじゃ~」となった場合に、2.指導者側のスキル不足が原因となっているケースがホトンドです。これを「ツールの出来が悪い」とか「従業員の能力が低い」と原因を自分以外にしてしまうと、いつまでたっても問題は解決しません。

さらに言うと、指導者側のスキルが高ければツールの精度や従業員のスキルが低くても、指導力で何とかなってしまいます。(何ともな出来ない事も、もちろんありますが)「精度の高いツールが必要ない」という事ではなくて、ツールの精度が高くてもツールを使う人(指導者)のスキル(ツールを正しく使う)が低ければ、ツールを活かす事が出来ません。

そこそこのツールと指導者がツールを正しく使えるスキル、そして従業員が最低限のスキルを持っていれば、現場での業務を潤滑に行う為の人材育成は何とかなります。

指導者側のスキルを上げるために必要な事は、日々の業務の中にあります。大小問題が起きると思いますが、問題発生時にどこを問題を捉えるのかが、指導者側のスキルだと思います。

<例:A君のリピート率が低い>となった場合に

  1. ツールなどの精度が低い(マニュアル、評価制度、ヒューマンリソースプランの計画性が低い)
  2. 指導者側のスキル不足
  3. 従業員個人の基本スキルが低い

1~3どれに問題があるかを見極めなかればいけません。この判断が正しく出来ていれば、「従業員個人の基本スキルが低い」以外の問題はおのずと解決できます。「新入社員が覚えが悪いんです」となった場合に、よくある事ですが「指導者側が基本的な事が分かっていない」や「ツールがダメダメ」、「ツールはあるが使えていない」のケースがホトンドです。

問題を解決するために、指導者側の問題発見能力を磨いていきましょう。副院長(院長候補)の育成時に重要な事になりますが、院内で問題が発生した場合に「どの部分を問題と捉えているのか?」を繰り返し繰り返し、伝えていきます。(フォローアップの質と数が命)

  • 私:「○○という問題が今日起きたけど、何が根本の原因だと思う?」
  • 副院長:「▲▲が原因で問題が発生していると思います」
  • 私:「なるほど、でも□□が根本の原因で▲▲は枝葉の問題だよ」

的な事です。現場での業務を潤滑に行う為には、指導者側のスキルを高めることが一番重要です、どんなにツールの精度が高くても、指導者側のスキルが低ければ問題を解決する事は出来ません。

という事で、経営者がツールを作成するセミナー参加する事や従業員を外部研修に派遣するよりも、日々の繰り返し作業が重要になります。簡単に言うと「パッとやってすぐに出来るものではない」という事です。

宣伝を挟むと、「ツールの作成とツールの使い方、繰り返しのフローアップ」をサービスとして提供していますので、継続できる覚悟がある経営者さんは是非是非、お仕事のお依頼をお待ちしております。人材育成系はお得な価格設定となっています。(短期で収益に繋げる事が困難なケースが多いため)

組織の維持拡大を行う為に必要な人材育成

この人材育成は、大きな組織となりマーケティング活動や本当の意味での人事部など、組織の中で専門の仕事を行う為の人材育成となります。この人材育成は外部研修などで専門知識を学ぶ事が必要だと思いますが、ホトンドの治療院では必要ないと思います。

マーケティング活動を中心に行う従業員を抱るほどの余裕がある治療院さんは、少ないのではないでしょうか。大半は、組織の維持拡大を行う為に必要な業務は全て経営者さんが行っているか、一部外注しているかだと思います。

という事で、経営者さんが外部研修等を受講する事は時には必要ですが、従業員を派遣する必要は9割以上の治療院さんでは必要ないと考えて頂いて問題ないかなと。

ここまでのまとめ

治療院では従業院に外部研修が必要になるほど規模が大きくなることはごくごく稀なので、それよりも日々起きる問題を解決するためには、指導者(経営者、幹部)の習慣や考え方からくる、問題発見能力を磨く必要がある。

その為には、繰り返し繰り返しフォルーアップが必要で、パッとサイデリアでは解決できません。by小林亞聖

なぜ「店舗数=マネージメント力ではない」と思うのか

ディスるつもりは毛頭ないのでそこのところよろしく。店舗数を増やして規模を拡大する事は「凄いな」と本心で思います。がしかし、私は店舗数=マネージメント力は全面的に否定派になります。

理由は簡単で、現場の裏面(現実)を見てきたからです。詳しくは書きませんが「表面がキレイに見えるところほど、裏では・・・」といった感じで、「マネージメント力なくても店舗展開は出来るな」と実感した次第であります。

マネージメント力が無くても店舗展開が出来る理由は、それ以外の部分で補っているからです。あるグループは(例えの話ね)

  1. 強烈な立地条件で新患数を毎月確保できる
  2. 資格ビジネスなどで、人材確保が安定して行える

などなど、マネージメント力の欠如を補い余るほどの何かを持っておられました。現場がてんやわんやになっていても新患数と人材確保が安定していれば、治療院経営は何とかなっちゃいます。

マネージメント業務は正直面倒な作業です。なので、マネージメントなしでも組織の維持させていくためにそれ以外の部分(集客力と人材確保)に力を入れる事も一つの方法です。とはいえ、大半の治療院グループでは真似することが出来ないので地道なマネージメント力を身に着けることをオススメしますが。

承認欲求が強い経営者さんは特に注意が必要

これも経営者さんにとっては、ウザイ内容になります。自称「日本一、従業員として現場の汚い部分を見てきたコンサルタント」として言わせて頂くと、組織が混乱する治療院の経営者さんは承認欲求が強い傾向があります。(あくまでも傾向ね)

例えば

  1. 飲み会が多い
  2. 従業員への感謝の言葉を連発
  3. 頑張ってますアピールも連発

などの場合には、少し承認欲求が強くなっているかなと疑って頂いてもいいかなと思います。飲み会を批判するつもりはありませんが、飲み会やイベントが一体感の確認や経営者としての承認欲求を満たす事が目的となっていないでしょうか。

従業員それぞれ価値観が違うので、組織が大きくなれば飲み会やイベントを嫌う従業員も出てきます。それどころか、考える力がついて来れば飲み会などに時間を使う事を嫌う傾向が出てきます。自分のための時間を重要視するので当然の流れです。

従業員に感謝するならば、飲み会やイベントに参加しなくても冷遇しないであげてくださいね。「チームワークだ」とか「従業員に感謝しているんだ」という組織に限って、イベントに参加しない人材には、日々の業務中に平気で冷遇します。その落差と来たら恐怖すら感じます。

ニコニコ「従業員に感謝しているんだ」との言葉とは裏腹に、裏ではエグイこと平気でしていたり。

これまで何度も口を酸っぱくして言っていますが、「従業員への感謝も重要」「頑張る事も重要」でも口に出したり、アピールする必要はありません。これされると従業員としてはドン引きです。やればやるほどね。

経営者の頑張ったアピールに「いいね」してくれる人の大半が、経営者仲間ではありませんか。経営者仲間も大切だと思いますが、彼らに「いいね」されるよりも従業員に「いいね」される事が本当は必要です。あなたの意識が院に向かず、外部の他者承認を得ることになっていないでしょうか。

従業員が本当の意味で感謝する時は、経営者の存在の大きさを従業員が自分で気づいた時です。たまに「従業員への感謝の言葉」などで検索されていますが、本当に従業員に感謝していれば、あなたの中から自然に出てくる言葉で十分従業員は心を動かされます。

逆に従業員に感謝していなくて、形だけ取り繕ったところで何を言っても従業員の心は動きません。従業員も馬鹿じゃありません。上っ面の言葉なんてすぐに見抜きます。「また、言うてるわ~始まった~」的な。

色々な組織に属しましたが、経営者さんが承認欲求が強い場合には「また、言うてるわ~始まった~」的な事を裏で従業員が集まり話していました。

何が言いたいかまとまっていないですが、まとめ

店舗数とマネージメント力はイコールでない。マネージメント力なしで、店舗数を拡大するためには「集客力と人材確保」がズバ抜けて安定していれば可能。でも、大半の治療院グループでは無理なので地道にマネージメント力を磨いていきましょう。

多くの治療院の規模では、従業員を外部研修に派遣させる必要になる機会はホトンドない。治療院で起きる問題の大半は、従業員が頑張る<経営者が頑張るという事である。

承認欲求が強い経営者さんは、「頑張っている」「感謝している」を口にする数を減らしましょう。(気持ちは分かりますが)治療院のように従業員と経営者の距離感が近い組織では、従業員も口には出さないが経営者が頑張っている事は気付いています。

  • 「従業員に口に出して感謝して欲しい」
  • 「いやいや、子供じゃないんだから、それともカップルか!!」

口に出すと折角の感謝も薄れてしまいます。

組織の拡大はブームに乗ってやるような事ではありません。組織の拡大にはそれぞれ目的があると思います。組織の拡大を反対しているわけではありませんが、思う事は目的を達成するために不条理な事で泣く人が最小限に抑えられればなと思います。ブームに乗って組織を拡大した人達が数年後、後悔するとここで予測します。(不吉な予測www)

組織が大きくなると当然関わる人も多くなるので、客観的に組織を見る能力が経営者には求められると思います。これが爆発的に難しいので苦労するわけですが。

最後に、経営者さんを批判したいわけではありません。先ほどと重複しますがただ、目的を達成するために不条理な事で泣く人が最小限に抑えられればなと思います。(ゼロにする事は不可能ですが)

と自分への戒めも兼ねて、ここに記録しておきます。組織運営は大変だ。


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