先日作業しながらYOUTUBEで養老孟司さんの「未来を変える選択」という講演を聞いてみました。物事の見方は本当に色々あり、柔軟な視点で見るためには「考える」ということが非常に重要で、一見自分の尺度ではその視点しかないように感じますが、よく考えると全く違う視点もあります。「自分の考えは絶対ではない」(他者の意見も同様ですが)という事を知って物事を考えていかないとなと思いました。良い意味でどんな偉い人の話も疑い疑問を持って自分の頭で考えることが重要ですな。
とはいえ、コメント欄にもありましたがどんなに優秀な人が考えても現時点では「わからないことがある事が分かった。説明がつかない事がたくさんある。」ということが非常に参考になりました。見ていない方には「なんのこっちゃ?」だと思いますが昼寝しながらでも聞いてみてください。面白いですよ。
本題に入りまして、今回は社員研修のご提案です。治療院で社員研修というと「手技勉強会」「コミュニケーション研修」などが大半でしょう。治療院で行われている大半の研修が(サンチェ調べ)受動的なんですよね。言葉を選ばずに書くと黙って真面目な顔して聞いていれば終了してしまいます。
研修を有益にするためには能動的に「考える」事がとっても大切です。ですが「考える」を強要してしまうと途端に有益性は失われてしまいます。このバランスが非常に難しい。
「考える」を能動的に行ってもらう為には
いきなり身も蓋もない話ですが「考える」事をするつもりがない人材に、いくら環境を用意したところで研修を有益にすることは困難だと思います。ですので「考える」ということが出来る人材を見つけるための作業がまずは必要かと思います。
人材ごとに全く状態が違うので同様の研修を行うことがそもそも非効率になる原因かなと。伸びる人材を見つけて重点的に教育費を投資していく流れが一番かなと。
研修を行えば「皆考えてくれて能力が伸びていく」というのは幻想で、大半の授業員さんはとりあえず黙って聞いておけば的な人が多いかなと感じています。「うちの授業員はしっかりと考えて仕事してます。」という経営者さんもいると思いますが、その考えが危険信号だと思います。
治療院グループで授業員の大半が自分で考え仕事をしているなんて院は私はこれまで見たことがありません。自分が作った組織が「こうあってほしい」という理想はわかりますが、しっかりと現実と向き合わなければ物事は先に進みません。
「考える」ということが出来る人材を見つけるためにこれやってみては?
「○○について考えて見てください」
これはよくある内容ですが目的が「考える事が出来る人材を見つけるため」となると、実行する意義が出てくると思います。「○○について考えて見てください」的な思考研修を行うと、ほとんどがやらされ仕事で「経営者が好む内容は」などの視点で考え発表する結果になることがほとんどです。
組織の中で目立った意見を発表するということは注目が集まり発言に責任が出てくるので(他者と同じ発言をしていれば目立つ事がなく責任が無い)、組織によれば経営者から目をつけられる(あいつはあんなことを考えとる的な)何て事にもなりかねないのでこれを授業員さんは嫌います。目をつけられて議論することが面倒なんですよね。(私これして目をつけられまくりました。いわゆるKYという奴です。「空気読んでないという事は空気読めてるから乱すことが出来るんじゃい!!」と思っていました。www)
前置きが長くなりましたが実際に聞いてほしい質問はこちら
●予算50万円、メニュー作成、人事権、経費管理、広告管理など経営者が持つ全ての権限を持っていると仮定し、今の院であなたがやりたい事とその理由を具体的(現実的)に書面にて提出してください。
この質問のポイントは良くある「業績を上げるための企画を発表してください」ではなくて、その企画をやりたい理由が含まれているところがポイントです。
業績アップの企画だけを募集すると、どこかで見つけてきた企画や他の授業員さんを真似た内容を発表する人が増えてしまいます。ですが、やりたい理由が含まれると他を真似る事が厳しくなります。勿論後付で理由をつける人も出てきますが、それでも発表までに「自分は何をなぜやりたいのか?」を多かれ少なかれ考える時間が出来ると思います。最後まで考えるかはまた別の話ですが・・・
また「具体的に」となっているところもポイントで「手技をメインで施術者として成功したい」という大まかなやりたい事がある場合に、具体的(現実的)に考えていくと必然的に「やりたい事をやるためにやりたくないことをやる必要がある」という壁にぶつかります。そこからが「考える」スタートです。
ここでスタート地点まで辿り着かない人とスタートラインまでは辿り着くがそこで終了する人とスタートラインに立ちゴールまでの解決策を見つけられる人などに分かれると思います。「考える」という事はとってもパワーのいることでしっかりと考えると「やりたい」と思っていたことが実際そうでもなかったりなどに気づくこともあると思います。そのことに気づいただけでも考えた価値があるのではないでしょうか?
思考研修の注意点
思考研修を行う際の注意点を下記に
- 1~3位まで(1位だけでもいいと思います)には金一封か休暇(半日休み)などのプレゼントを用意する。:ゲーム性を高めるために。後から表彰することで「提出して終わり」になることを防ぐ。
- あくまでも頭のエクササイズなので募集した企画を実行することは無い事を伝える。:ですが、あくまでも現実的な内容で、これにより自由な発想が出しやすくなります。
- 強制は良くないのですが、初回は全員強制で行きましょう。:今回の目的が「考える事が出来る人を見つける」ことなので。
- あなたの考えに沿わない意見が出てきても責めない。:これをすると二度と本当の意見を言わなくなります。待っているのは経営者のご機嫌伺いだけになります。
こういう企画をすると授業員さんは「また、面倒なこと言い出したな」となりますが、授業員さんゴメリンコ。実行する勇気がある経営者さんはやってみてください。もしかしたら、落ち込むような結果が待っているかもしれませんし、驚く結果(良い意味で)が待っているかもしれません。
残念な結果になったならば、しばらくはワンマン経営で行きましょう。あなたが一人で考えるしかありません。徐々に人材育成を進めて、その後に企画を吸い上げることでようやく有益な企画が出てくると思います。
「やりたい事を現実的に考える」となると「○○がしたい」だけでなく、収益性も考える必要が出てきます。「○○がしたい」という考えだけが先走り「現実的に可能なのか?」という視点が治療院業界では希薄になっている気がします。
この壁と向き合い考えて行くことが重要だと改めて思いましたとさ。
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