ここ数日「整骨院閉院」での検索が通常よりも増えています。閉院には諸事情があると思いますが、予想ですが業績不振が一番多い理由だと思います。「閉院」キーワードをみると「早めにやっておけばよかったのに」といつも寂しい気持ちになります。新しい事を始める精神的な壁が高い事は理解しているつもりです。

「整骨院閉院」で検索すると整骨院経営、保険診療のみで今後生き残れるか?が現在上位に表示されます。

整骨院の場合は、保険診療主軸での経営はどう考えても厳しいので「やるか・やらないか」の二択に迫られています。現在整骨院である程度稼がれている方は、完全自費など次のステップに進まれています。一つ壁を超えると次の壁へチャレンジといった感じです。売上高が伸びると、それ以外の問題も大きくなるのでそれはそれで大変です。

という事で悩める治療院経営者さんに、ぜひ観てほしい映画があります。それは伊丹十三さん監督の「スーパーの女」です。一部ネタバレも含むので、先に映画を見てからブログを読むことをオススメいたします。主演の宮本信子さんは、夏ばっば(あまちゃん)のイメージよりも「○○の女」シリーズのイメージが強く残っています。

簡単に「スーパーの女」の物語を説明

井上花子(宮本信子さん演じる)普通の主婦が、同級生である小林五郎(津川雅彦さん)と偶然再会し、五郎が経営している業績不振のスパーを立て直していく物語になります。

この映画で見どころは、業績改善するためにいくつかの戦いがあって、それを井上花子がドンドン解決していくところが痛快でもあります。それ以外にも、商売の原則的なところも紹介されています。五郎は経営者として「日本一のスーパーに」と口では言っていますが、マネージメントの意味や経営者としての知識も不足しています。また、従業員への権限の委譲と任せるの違いが理解出来ていません。

戦い1.経営者(小林五郎)との戦い

「業績を改善するためには、これまでのやり方を変える必要がある」という事をこの場面で感じました。花子があれだこれだと改善案を出すのですが、五郎は出来ない理由を出していきます。花子は少しづつ行動し成果を出すことで五郎をやる気にさせることに成功します。

戦い2.職人との戦い

スーパーには部門が様々あります。野菜部門、鮮魚部門、肉部門など、五郎が経営するスーパーでは各部門の主任に職人を採用しています。スーパーにはスーパーの強みがあり、高級店には高級店の強みがあります。職人を主任に置くことで、スーパーの強みである流れ作業が滞っていたり、スーパーに必要のない高級食材が売れずにロスとなっていました。。

花子が各職人と戦いながら解決していくのですが、「職人が良い」「職人何て必要ない」という事ではなくて、「事業に合った経営をしていかないといけないこと」をこの戦いでは教えてくれます。

鮮魚部門の主任さんとのやり取りの一部を引用

  • 花子:職人が悪いと言ってるわけじゃないの、ただスーパーと職人が合わないって言ってるの。
  • 花子:しんちゃん(鮮魚部門の主任)が本当に職人の道を貫きたいならスーパーにいたんじゃだめよ。自分の魚屋持つか、活け魚料理屋でも開くべきよ。
  • しんちゃん:ああそうかよ。じゃあ辞めてやるよ。なんだいたかがスーパーの魚屋じゃないか。
  • 花子:違う。あんたは、たかがスーパーの魚屋にすらなれていない。

職人が事業の中でよく悩むことをこの戦いでは教えてくれます。昔、板前をしていた私ですが飲食の世界でも同じような事はよく起きていました。短期的に助っ人で炉端屋さんに手伝いに行っていた時に、そこで自分で飲食店をオープンしたものの経営不振で閉店した板前さんが働いていました。

日々、炉端屋さんで出される料理にぶつぶつと不満を言いながら調理されていましたが、↑のセリフではないですが不満ならば自分で店をやるべきです。炉端屋さんには炉端屋さんの日本料理屋には日本料理屋の良いところがあります。同じ料理ですが、顧客が求めるものや経営方法は全く異なります。ごっちゃにすると・・・

戦い3.競合店(安売り大魔王)との戦い

安売り大魔王の戦略は低価格で集客を行い短期的に収益を上げて、競合店を買収し地域に競合がいなくなれば、価格を上げて利益を増大させていく戦略です。

景品表示法的にも産地偽装的にも問題があり「安ければ売れる」を一番のストロングポイントとして経営しています。この戦いで花子は安売り大魔王の弱点を分析し、CS(顧客満足度)を従業員の力を借りながら上げていくことで競合店との戦い方を教えてくれています。

この映画の見どころは花子が、業績回復のためならばどんな困難にも屈せず最後まであきらめずに解決していくところです。少し気になるポイントとしては競合店との戦いですが、安売り大魔王よりも顧客満足度を上げる事で業績を回復していくのですが「顧客満足度(CS)を上げる=品質を上げる」という事ではない点です。

「顧客満足度(CS)を上げる=品質を上げる」ならば高級食材を並べて販売していけば品質は上がります。この方法は各部門の主任が売れない高級食材を仕入れてロスを出していました。花子が行ったCS向上は顧客に適したCS向上を行ったという点です。

数年前にもこの映画を観たことがありましたが、先日再び観なおして「この映画から学ぶ事は多いよな」と感じたので紹介させて頂きました。映画としても面白いのでぜひ観てください。しかし、伊丹十三さんは鬼才だ。


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